松尾画報

辺境のカンガルーの近況

発明

なんだか娘の話ばっかりしてますが。
一年前ほど前、熊のアニメを娘と一緒に見たんですよね。
熊と少女の触れ合いを描いた内容。Eテレだったかな。

アニメが終わった後、特に深く考えず、
私の手を熊に見立てて遊んでみたんです。
中指を頭に、残りの四指を四肢に。

「あ!熊ちゃんだ!」と娘がずいぶんと気にいって、
その日から私の両手は熊ちゃんになりました。
娘に呼ばれたら出現する熊ちゃん。

右手が赤ちゃん熊ちゃん、左手がお姉ちゃん熊ちゃん。
いつの間にか決まっていました。
いつからだろう、すっかり定着しちゃった設定。

登園時、熊ちゃんは大変よい働きをします。
熊ちゃんがタカタカと空中を走れば、
嬉々として追いかけてくるわけですから。

娘の頭や手の上に乗ったり。ムササビのように飛んだり。
ジャンプして電柱にぶつかり、娘に助けを求めたり。
右手と左手が喧嘩して、それを娘が諌めたり。

いつでもどこでも、おままごと展開可能なわけです。
道具もいらない、準備もいらない、費用もかからない。
私の両手と言葉のみで展開可能。

これが間違いなく2020年度一番の発明です。
ものすごいロングヒットです。もうすぐ一年。
…いつまで続くんだろう、これ。

割と不便なのが、私と熊ちゃんは分離不可能なこと。
「熊ちゃんと一緒に朝ご飯食べる」となると、
忙しい朝でも必然的に横にいないといけないわけで。

あと、登園中に大きな声で「熊ちゃん!熊ちゃん!」
と呼ばれるのも、実はちょっと恥ずかしい。
通行人の視線が気になります。

…いつまで続くんだろう、これ。
便利は便利だけど、そろそろ卒業してくれないかな。
便利さと不便さは表裏一体です、本当に。