松尾画報

辺境のカンガルーの近況

今じゃない

休日、最寄りの駅でのこと。

雨だったので左手にたたんだ傘を持っていました。

地下ホーム駅で降り、階段を登りました。

 

地下ホーム駅って、往々にして強い風が吹くんですよね。

地上にドアがなく、直接空間が繋がってる駅は特に。

私がいつも使う最寄駅もそうです。

 

で、その日、私の前を歩いていたのが、

鮮やかな青いハンチング&鮮やかな青いパンツのおじさん。

個性的な格好だったので、すぐ目につきました。

 

もうね、大体話の筋が読めると思うんですけど。

風で飛ばされてきたんですよね、そのハンチングが。

私の左手の傘の取っ手に、見事に、すぽッ。

 

 

 

『あぁ!すいません!ごめんさいね!お兄さん!』

「いえいえ、大丈夫ですよ。はい、どうぞどうぞ。」

『いやぁもう!ナイスキャッチ!お兄さんナイスキャッチ!』

「いやいやもう、ほんとね、偶然ね。ははは。」

『(ちょっと歩いてまた振り返って)ナイスキャッチでした!お兄さん!』

「ははは、良かったです、ほんと。ね、ほんとね」

 

 

 

…すごく味気ない返事しちゃいました。

あんまり見知らぬ人とガンガン話したいってテンションでもなく、

なんとなく、はははー、でごまかしてしまいました。

 

来てほしいときに来ないんですよね、こういうハプニング。

一杯ひっかけた金曜の夜の帰り道とかなら最高だったのに。

なんだか損した気分です、くそぅ。また会いたいなぁ。