松尾画報

辺境のカンガルーの近況

スローモーション

先日、駅で電車を待っているときのこと。
ダーーン!と大きな音がしました。急に。

急だと、何が起こったのか、すぐに理解できないんですね。
「大きな鉄板状のものを誰かが落とした」ように思えました。

音がした方を見ると、うつ伏せに倒れている壮年の女性。
コロコロと転がって線路に落ちる水筒。

「まずは人をたくさん呼んでみんなで対応だ」と思いました。
駆け寄る、救急車呼ぶ、駅員さん呼ぶ、皆でやった方が早い、と。

と思ったんですが、私よりも女性に近い位置にいた駅員さん2人がダッシュ。
1人はすぐに駆け寄って声をかけ、もう1人は改札階へダッシュ。

幸いにも女性はすぐに意識を取り戻したようで、
うぅんと唸ってはいますが、流血や嘔吐なんかはなさそう。

改札階から駅員さんがさらに2人来て、各対応に当たります。
見る感じ、それほど深刻なようではなさそうですが。

駅員さんが4人いれば適切な対応になるだろうと思って、
後ろ髪引かれる思いもありつつ、私は数分後に来た電車に乗りました。

何をどうするのが正解かよくわかりませんでしたが、
きちんと対応方法を学んでいるだろう人たちに任せた方がいいだろうと。

ゆっくりコロコロと、線路に落ちていった水筒の映像が、
なんだか妙に頭に残っています。

何をすべきだったとか、そういう教訓的なものよりも、
ただただ、スローモーションで線路に落ちていく水筒の映像が頭に残っています。

たぶん大丈夫だと思うんだけど、その後も何もなければいいな。
遭遇そして対応、の訓練。その都度都度において適切に。

日々、学ぶべきことばかりですね。
ほんのわずかでも、手の届くとこだけでも、誰かの役に立ちたいなぁ。