松尾画報

辺境のカンガルーの近況

命の感触

鮎漁のお話をもうひとつ。
捕まえた鮎は川の横にある焼き場で、焼いて食べます。

長い鉄串を鮎の数だけ渡されるので、
串刺しにしてしっかり焼きます。食育。

前もって聞いててちょっと興味があったのと、
子供たち(全員女子)がひぇえ〜!と言うので私が。

すごくやりたかった…という訳でもないんですが、
経験として一度やっておかなければならないな、と。

びちびちと暴れる鮎を左手でしっかりホールドして、
まず、口からエラに抜けるように一撃目。

そしてくねっと身体を曲げ、ふっくらした腹に二撃目。
この二撃目、鱗が滑ってなかなか刺さりません。

そして、最後に尻尾の辺りに三撃目で完成。
S字になった鮎を炭火でじりじり焼きます。

二撃目の難易度が高く、失敗すると鮎に申し訳ない。
ひと思いにいきたいんですが、なんだよ、この防御力。

途中から石を組んで作業場を作りました。
石に押し付けるようにして、串が滑らないように。

私の左手は、魚臭さとほんのり血の匂い。
石鹸で手を洗っても、なかなか取れません。

そりゃね…この日は16の命を奪ったわけだからね…。
思ってたより、たくさん血が出るもんなんですね…。

骨も頭も尻尾も、残さず全部食べました。
満腹まで食べるのは今後は控えよう、とも思いました。

でも夜には、またしっかり食べちゃってるんですよね。
罪深いものです、人間って。