松尾画報

辺境のカンガルーの近況

隙の粋

先日読んだあるweb記事に、こんなのがありました。
「魁!男塾」という昭和の漫画に出てくる、架空の出版社の話。

漫画上の設定に、文献から引用という解説をつけて、
それらしく説得力を持たせて盛り上げるという演出。

「〇〇は1,000年前から受け継がれている幻の武術である!」とか、
「〇〇は戦時中ですら禁止された危険な格闘技である!」的な。

私はあまり男塾世代ではないんですが、
子ども時代に少しだけ読んだことがあります。

覚えているのは、長い棒をぶんぶん振り回して戦う男が、
ヘリコプターみたいに棒を回転させて空を飛ぶ姿。

そこで、架空の出版社による出典からの解説。
「この飛空武術がヘリコプターの語源になったのだ!」と。

当て字の漢字はもう忘れちゃいましたが、
「へいりこふ」という読みだったのは覚えています。

そうか、ヘリコプターの語源はへいりこふなのか。
漫画も勉強になるもんだなぁ、と思いましたよね。

大学生になってふとインターネットで調べ、
へいりこふ情報、全然でてこねーじゃん…と思った記憶。

今なら子どもでも「検索すれば」ってなりますけど。
当時なら信じちゃいますよね、そりゃ。

けどまあ、騙す側にも騙される側にも粋さというか、
そういう隙みたいなものがありましたよねぇ、35年前には。