松尾画報

辺境のカンガルーの近況

独演会

20代の頃、とある絵描きの友人が言ってたこと。
芸大卒で、ウェディング関係のデザインの仕事してたあの娘。

誕生日だってことで、友人宅でパーティしたんですよね。
みんなそれぞれに料理とお酒とプレゼント持って。

私は当時ハマっていた漫画を持っていきました。
イタリア人の日常をつらつらと描いた漫画。

これは素晴らしくいいプレゼントだ、なんて思ってました。
なぜならとても素敵な漫画ですからね、私基準では。

で、それを受け取った酔っ払いの彼女。
ガハハ!すんごく線が太っとい絵だな!いいじゃん!おもしれー!って言ったんです。

私は絵描きじゃないので、その表現が分かりません。
よくわかんねーけど!ま!読めよ!おもしれーから!ガハハ!て感じです。

若かり頃のことですが、今思えば、
お互いにただ、自分たちの感性の押し売りです。

今なら、もっと相手のことを考えたプレゼントを、と思いますが。
それで十分成り立つ関係だったんですよね、その年代や美大界隈の友人たち。

わかんねーよ、君らが好き勝手に撒き散らす感性はよ。
でもなんか知らないことばっかりだし、君ら、素敵そうに見えるよ。って感じで。

意味も実りも大してなかったかもしれませんが、
そういう友人達とそういう時間を過ごした時期もありました。

ま、今だって大して変わらないかもしれませんが。
一応、少しは前に進んでると思いますけど。たぶん。うん、たぶん。

時にはあの時代のように、気の赴くままに聞き手のことなんて考えず、
ほろ酔いで2時間ほどの独演会でもしてみたいものですねぇ。

延々とおしりたんていの魅力を語り続けてやりますよ。
15分でつまんないって全員帰っても、一人で話し続けます。