松尾画報

辺境のカンガルーの近況

激熱燗

何がそんなに面白かったのかよく分からない。
でもとにかく笑いが止まらなった経験。
前々回のおでん先輩以外にも、いくつかあります。

一番直近では、2018年の年初にありました。
たしか仕事はじめ2日目の日。
事務所のみんなと、取引先数人で立呑に行ったときのこと。

「おぅ、おかあさん、熱燗2合。でっっっきるだけ熱くしてな」
立呑屋の名物おかあさんにそう言うんです、A社のアオキ社長。
舘ひろしさんに割と似てます、アオキ社長。男前です。

「もう〜、アオキさん、正月からほんまにアホなことばっかり言うて〜」
応じてくれます、名物おかあさん。常連ですからね、私たち。
2合徳利を電子レンジに入れ、いつもより長めの時間チン。

「………あっつぅぅッッ!はいどうぞッ!あつッ!」
いつも笑顔を絶やさず、愛嬌ある歌うような口調のおかあさんが、
必死の形相で半ば叫びながら徳利を持ってきます。

「あつッ!おかあさん、ようこんなん素手で持ってきたな!」
ぐい呑みに注ごうと徳利に手を伸ばしたアオキ社長、すぐに手を離します。
お絞りで包まないと徳利を持つことすらかないません。

ぐい呑みに注ぐと、とくとくとく…ぼこぼこぼこッ!
ぐい呑みの中でぼこぼことお酒が沸騰してます。
「あつッ!あつッ!でもうまッ!」と言いながら呑むアオキ社長。

保温性能が高い徳利なのか、2杯目を注いでもぼこぼこ。
おかわりももちろん激アツでオーダー。注ぐとやっぱりぼこぼこ。
忘れた頃に口をつけて「まだまだあつッ!」と叫ぶアオキ社長。舘ひろし似。

文章で表現するのはとても難しいですが、
注がれるたびにぼこぼこと沸騰する日本酒は、
もうただただ見ていて面白いんです、不思議なことに。

男前な人がやるから面白いんでしょうか。
沸騰すべきでないものが沸騰してるから面白いんでしょうか。
何がそんなに面白かったのか、今ではよく分からないんですが。

2018年は、これが一番笑った日でした。