松尾画報

辺境のカンガルーの近況

出てこーい

年末の街は、ものすごい酔っ払いがいるものです。

これまでの人生で、それなりに変な人を見てきました。

流血してる人とか、服脱いでる人とか、ゴミ捨て場で寝てる人とか、

食品サンプル持って錦市場を疾走してる人とか。

 

昨年末に梅田で見た人は、柱に向かって怒っている人でした。

遠目から怒号が聞こえてきたので、あ、変な人いるなって思ったんですよね。

関わらないのが吉ですが、好奇心もあります。

歩くスピードを落として、遠目からゆっくり観察してきました。

 

 

誰やねん!俺のチャリ盗んだやつ!

出てこい!マンションの駐輪所からチャリ盗んだやつ!

明日からどうやって会社行けって言うねん!おい!

歩いて行けってか!ふざけんな!

出てこい!どこおんねん!出てこーい!!

もう休むぞ!俺もう明日休んだるからな!ちくしょう!

 

 

柱に向かって、40代っぽい男性が怒鳴ってました。

もちろん酔ってはいるんでしょうけど、それほどでもなさそうと言うか、

お酒に強いだけかもですが、顔色はわりとまとも。

酔いよりも、強い怒りの感情を感じました。

 

まあね、状況的に同情しなくもないんですけど。

叫んだって、もちろんなにかが変わるわけでもなく。

でも叫ばずにはいられなかったんでしょうね。

怖かったんで、遠目にしか見れませんでしたけど。

 

みんないろいろ抱えて生きてるんだなぁ、と思いますよね。

勇気出してちょっとだけお話ししてみたいんですが、

きっと不幸な目にしか合わないと思うので、

そういう勇気は封印しておこうと思います。