松尾画報

辺境のカンガルーの近況

コーヒータイム

印象に残っている言葉と言えば、
某M内科の先生の言葉の中にも、
個人的に好きな響きがあります。

もう何年前になるんでしょうか、
M先生に取材という形でお話を伺ったとき。
1日の仕事の流れを質問したんだっけかな、たしか。

「朝からこれこれの診察を〇件ほどして、
〇曜日ならあれあれをどれどれ、あとそれそれの手配。
それから、ほんのひと息のコーヒータイム」

ディテールはほぼ覚えてないのですが、
M先生がそうおっしゃった瞬間は不思議と覚えています。
「ほんのひと息のコーヒータイム」

なんてことのない言葉なんですが、
すごく味があるというか、身から出た言葉というか、
たしかな質量を持った言葉でした。

そこで飲まれるコーヒーはどんなのでしょう。
ドリップでも、粉でも、コンビニ、いやもう缶コーヒーでも。
なんでも似合いそうだけど、どれもなんだか美味しそう。

なんとなくブラックっぽいけど、
砂糖やミルクやフレッシュなんかが入っていても、
それはそれで似合いそうな気もする。

大切なのはそこに、ひと息のコーヒーがあること。
安っぽければ、忙しさとほんのひと息感が引き立って趣深いし、
ドリップされていれば、そのひと手間がまたよく似合う。

やっとたどり着いた、ほんのひと息のコーヒータイム。
なんだか素敵な響きがありますね。
ちょっと刹那的な感じもあって。

全ては私の想像、いや、妄想の話なんですけど。
先生はまず100%、覚えてらっしゃらないと思います。
でも、私の脳裏に焼き付いちゃった素敵な響き。

「ほんのひと息のコーヒータイム」