松尾画報

辺境のカンガルーの近況

この瞬間

報告、いきましょうか。俳優ハシモトの続報です。

初日の撮影日に感じたことを少々。

 

集合時間に撮影現場に行くと、スタッフ達がすでに作業中です。

照明を組み、カメラをセッティングし、小道具を用意し、音声チェックをし。

想像していた以上に、プロの現場と遜色ない本格的な撮影風景。ちょっと感動。

ただね、初日にとにかく印象に残っているのはですね、

「うるっっっさいな!君ら!静かにしろ!」ていうことですね。

 

例えば、監督・演技指導班・照明班・カメラ班・私たちキャスト陣で、

演技場全体の立ち位置、画角、光の足し引きなどを決めていきます。

そのときに、まだやることのない美術班や音声班が、

大声でずっと関係ない雑談してるわけです。

現場は常に、話し声、怒鳴り声、叫び声、笑い声が渦巻くカオスです。

 

「おい!美術班うるさいぞ!演技班の指示が聞こえんやろ!」

何度も喉元まで出かかりましたが飲み込みました。オトナですから、私。

というのもね、現場ではキャスト陣は超VIP待遇の特別ゲスト扱いです。

そのキャストの私が言っちゃうと、きっとみんな萎縮します。雰囲気暗くなりそう。

「この現場楽しくない」って思った瞬間にパフォーマンス落ちそうですし、彼ら。

 

けどまあ、よく思い出せば、私の学生時代だってこんなんだったわけで。

PA班、設営班、照明班、撮影班。ライブ時の音楽サークルも似たようなもんでした。

いつも誰かがどこかで、ハイテンションでくだらないこと話してました。

「おい!設営班うるせぇ!それ今しゃべらなあかんことちゃうやろ!」

怒鳴ってました、当時は。私も散々、怒鳴られる側でもあったけど。

 

彼らにとっては、かけがえのない一生の思い出になる時間なんですよね、これって。

そうなるともはや、彼らに合わせていく以外の選択肢はないですね。

スタッフ達の名前を覚え、気さくに話しかけ、大声で冗談言ってイジっていくわけです。

1・2回生なんて私の半分の時間しか生きていない子たちなわけですが、

学生時代のノリに戻って、ガシガシ絡んでいきます。思い出の一部になっていこう。

 

そんな貴重な瞬間に立ち会えてるって、なかなか素敵なことです。

「仕事休んで何やってんだ、私は?」と素に戻って思う瞬間もありますけど。

何やってんでしょうね、本当。ま、いいか、割と楽しいし。