松尾画報

駒汚れなく道険し

駒木地

お師匠から新しい駒木地を送って頂きました。

伊豆諸島の御蔵島で採れる通称「島黄楊(しまつげ)」。将棋駒の素材としては一番の高級品です。素材自体は他にもホオノキ、カエデ、カバなどでも作られますが、黄楊は櫛などの素材でも知られる通り実が締まっていて滑らかなのが特徴で、現代の高級駒はほとんど黄楊で作られています。
また産地によって名称が変わり、他にも鹿児島産の「薩摩黄楊」や中国産の「中国黄楊」、東南アジア産の「シャム黄楊」などがある中、島黄楊は一番人気のブランド品と言われています。

私みたいな初心者が扱うにはもったいない代物ですが、始めから良い素材に慣れておいた方がいいと毎回お師匠から譲って頂いています(もちろん料金お支払いの上で)。

木工品好きな私としてはこの状態のままでも撫でるだけでホクホクなのですが、真っ新な駒木地は今度こそもっと上手く彫ってやろうとやる気を刺激して来るのも確か。

これから取り組むのは「金龍」、江戸時代に生み出された歴史ある書体です。樹木の命を頂き、気持ちを込めて丁寧に彫ります。