松尾画報

辺境のカンガルーの近況

食でなく音の話

Apple Musicを見ていると、昔、好きだったバンドの新譜が。
シンプルなバンドサウンド&美しいメロディラインが特徴の彼ら。
お、懐かしいと、まずはライナーノーツを読んでみます。

曰く「この日が来るのは分かっていた、遅すぎたくらいさ」
「昔から大ファンだったクラシックやオペラの要素を取り入れたよ」
「オケ中心だけど、やっぱり僕ららしいコードとメロディでしっくりくるのさ」

まあ要は、オーケストラメインのアルバム作りました、と。
聴いてみると、なるほど、バンド的リズム残しつつも、
エレキギターや電子音を使わず、生楽器の生演奏を重ねています。

エレキギターの代わりにヴァイオリンやチェロが頑張っていて、
グルーヴィーだけど、ローカロリーで聞きやすい。
あたたかみのあるサウンドのアルバムに仕上がっています。

とっても聴きやすいいいアルバム。
けどやっぱり、デビュー初期の作品群のような激しい衝撃はなく。
このバンドにハマるきっかけになる人は少ないよなぁ、このアルバム。

なんていうか、豆腐ハンバーグ的な、ベジミートハンバーガー的な。
悪くないし、それなりにリピートもするけど、100点満点ではない。
人生最後の食事にはきっと選ばないかなぁ、と。

今の10代に聞かせても、おそらくあまり刺さらないでしょう。
ハバネロのインパクトと、里芋の優しさはどっちが優れてるんだ。
そんなこと言ってるみたいで、すごく不毛な気もしますが。

日常的には豆腐ハンバーグや里芋を好みつつも、
心のどこかではまだハバネロ感を求めているのかもなぁ、と。
そんなこと考えながら、毎日このアルバムを聴いています。