松尾画報

辺境のカンガルーの近況

必死に繰り返す

10年くらい前に流行ったとあるバンド。

世間的にはそれほど有名じゃないでしょうけど、

私の友人周辺で少しだけ流行ったあのバンド。

 

具体的な名前は出しませんが、

いじめられっ子系とでも言えばいいんでしょうか、

あまり明るくない少年時代を送った子が作った音楽。

 

ネットを通じて誰でも情報発信できる時代だからこそ、

人の目に止まって、ずるずると引き上げられたような子たち。

生々しい言葉と音を垂れ流します。

 

けどね、妙に刺さるんですよ、ほんと、妙に。

いろいろヘッタクソで絶望的に未成熟なんですけど、

痛々しいまでの必死さが胸に突き刺さる。

 

もちろん本人たちの境遇に思うこともありますし、

必死さっていうものは胸を打ちがちですが、

しかしそれにしても刺さりすぎる。何回も聞いちゃう。

 

痛みや悲しみや怒りをストレートに表現してるからかな。

でもひねくれたものも多分に感じるし、否定したいところも多い。

それでもさらけ出して、いつまでも続けてるんですよね、それを。

 

「とにかく必死にやって、そして繰り返せ」

これって、結構大事なことかもしれません。

一途なものはやっぱり、人の胸を打ちますね。

 

ヘッタクソな彼らはこれからもヘッタクソでしょう、絶望的に。

でも刺さっちゃうんですよねぇ、不思議なことに。

そういう世界や感覚もあります。本当に、変な世界ですねぇ。