松尾画報

駒汚れなく道険し

印刀を研ぐ

第79期名人戦は渡辺明名人が4勝1敗で斎藤慎太郎八段の挑戦を退け、初防衛を果たしました。
さすがに強い。初戦を落として波乱を予感させましたが、そこから貫禄の4連勝。気鋭の斎藤八段をここまで圧倒するとはさすが「魔王」。棋力、実績を考えると遅い名人載冠でしたが、防衛し続けて永世名人も獲得してほしいところです。
そしてその渡辺名人が6/6からの棋聖戦で挑戦者として藤井聡太二冠に挑みます。現役最強と言っても過言ではないお二人、どの様な戦いになるのか目が離せません。

閑話休題。最近改めて印刀の研ぎを見直してます。印刀とは印鑑や将棋駒など細かい彫刻の時に用いられる彫刻刀で、将棋駒の彫りには細かい箇所、細い部分がありますが原則これ一本で彫ってます。

有名彫り師さん、Twitterなどで作品を挙げている上手い方の彫り面を見ると本当に綺麗で淀みが無いんですよね。もちろん腕もありますが、同時に使っている印刀の切れ味の良さも伺えます。良い作品を作るための大事な要素です。
しかし研ぎって本当に難しい。。荒、中、仕上げと研いで行きますが、途中までうまく行ってたのに最後の仕上げでおかしくなったり、上手く研げたと思ったら全然切れなかったり。あーでもない、こーでもない、試行錯誤の繰り返しです。たかだか刃渡り5〜6mmの印刀で四苦八苦してるんですから、日本刀などを研ぐ本物の研ぎ師さんには心から尊敬してしまいます。

上達するのに近道はありません。やり続ければきっと上手くなるであろう事を信じて、あーでもこーでもを重ねます。