松尾画報

松尾の独り言

消化器疾患フォーラム

先日、火曜日の私の診療終了後にホテル日航奈良にて「消化器疾患フォーラム」が開催されました。この約3年間はコロナ禍のため、会場での講演会は自粛されWEBでの開催が殆どでしたが、今回はホテルの会場とWEBのハイブリッドの開催であり、勉強会の場でもコロナ禍の終焉を感じることができました。
今回は2つのテーマで勉強できました。1つ目は私にとってはお馴染みの近畿大学奈良病院内視鏡部教授の水野成人先生による「膵癌の早期診断を目指して」の講演であり、私が座長を担当させて頂きました。
平日診療後の開催であり、会場の参加者は少ないのではと予測していたのですが、私の戦友であり、これまたお馴染みの白庭病院外科の久保田太輔先生や江川内科消化器科医院の江川信一先生、大腸CT検査で有名な王寺のまつおかクリニックの松岡正樹先生など多数の先生方に会場にお越し頂いており、気を引き締めて司会を行いました。
内容は、胃癌や大腸癌と比較して膵臓癌のリスクファクターは未だ不明瞭であり、家族歴を重視しつつ膵のう胞(ふくろ)を遅滞なく経過観察していき、癌化を疑う変化があれば積極的に超音波内視鏡および穿刺細胞診を行うことが重要であるということです。
水野先生の凄いところは、病診連携、病病連携はもちろん、医師だけでなく薬剤師の先生や看護師、臨床検査技師も含めたチームを作り、「いこま早期膵癌診断プロジェクト」も立ち上げるなど、非常に広い視野で活動されていることです。
近年、画像診断の進歩により、多くの無症状の膵のう胞が見つかるようになり、当院では画像診断クリニックと連携してCTに加えMRIも行うことができるので、他の病院からも膵のう胞の経過観察を当院に依頼されることが増えてきています。
2つ目のテーマは、倉病院内科部長の高山政樹先生の司会で、私と同い年で近畿大学奈良病院消化器外科教授の木村豊先生から、主に小腸に作用する新しい機序の便秘薬について「慢性便秘症の治療〜消化器外科の立場から〜」と題して、便秘の歴史や機序から始まり、木村先生の豊富な臨床経験をもとに実臨床に役立つよう解り易く講演して頂けました。私も早速、日常診療に役立てていきたいと思いました。
講演会終了後、反省会と称して4人で食事会をしましたが、水野先生、木村先生、私も所謂アラ還であり、今後どうする?という話題が出て、改めて自分の歳を意識しました。
私自身は頑張れるところまで頑張ります。
当院副院長の奥田先生の同級生である高山先生の若さが眩しかったです。