松尾画報

辺境のカンガルーの近況

編集長の説教

なんとなく思い出したので、特に意味はなんですが書いてみます。

20代の頃に勤めていた出版社で、社員旅行に行ったことがあります。

三方五湖&東尋坊という、スタンダードな福井旅行。

 

社長の思いつきで半ば強引に、わりと急に決まったような記憶があります。

「この出版不況の中、新しい時代に向けて一致団結や!よし、20年ぶりに社員旅行や!」という感じで。

土日の休みを使って行くという、社員のテンションを著しく下げるスタイルでした。

 

「旅行中はずっと無礼講や!ストレス発散せぇよ!」と社長は連呼します。

この旅行には社員たちのストレス発散的な意味合いもあったようで。

「社長!土日に行くのが何よりストレスです!」とは口が裂けても言えません。

 

 

 

行きのバスの中から、お酒を飲みながら行くわけです。

みんな缶ビールをちびちびと飲む中、編集長はぐいぐいと日本酒をあおります。

日頃から晩酌を一番のストレス解消にしている編集長、さすがです。

旅館に着く頃にはすでにベロンベロンでした。

晩ご飯後、編集部員一人一人を部屋に呼びつけて説教です。

 

「ハシモトォ!お前はなぁ!新人なんやからアレや!もっとばんばんばーんや!」

「フジオォ!お前は中堅としてもっとなぁ!ばんばんばーんせいやぁ!」

「シノヅカァ!お前はなんか…!なんかがダメやぁ!ばんばんばーんやぁ!」

 

これね、本当に冗談も誇張も抜きでこんな説教だったんです。

泥酔の編集長、とにかくばんばんばーん!しか言わないんです。

最初は「編集長なりのボケかな? ツッコんだ方がいいのかな?」って思ったんですが、

ボケでもなんでもなく真剣にずーっと、ばんばんばーん!って言ってるんです。

 

口答えするとややこしくなりそうなので、みんな大人しく説教されていたんですが。

後半はさすがに堪えきれなくなって、みんなで笑いながら聞いてました。

案の定、周りが笑うと怒るんですよね、編集長。

「お前らぁ!何笑ってんねん!ちゃんと聞けやぁ!ばんばんばーん!」

今思い出してもなんだっただろうと思いますよね、この旅行とこの説教。

 

 

 

当時私は20代前半だったので、旅行も説教も早く終わらんかなー、という感じでしたが。

今ならもっともっと楽しめそうな気がします。

むしろ何が何でも参加したいですねぇ、そんなわけわからん社員旅行。

最近はやっぱりないんだろうなぁ、社員旅行なんて。

昭和の中頃にはよくあったみたいですけどね。

 

 

 

あ、でも土日を使って行くのは、今でも嫌ですね。