松尾画報

辺境のカンガルーの近況

大人とお寿司

せっかくですので、前回に続いてお寿司の話を。

 

 

お寿司といえば、ハレの日の食事ですよね。

私が小さい頃、両親はときどき出前寿司を頼んでくれました。

ちょっとした祝い事の日とか、父親の給料日の日とか、

晩ご飯作るのがめんどくさかったであろう休日とか。

 

 

個人的に思い出深いのは、親戚がたくさん集まったときの寿司パーティですね。

お寿司屋さんににぎりを、酒屋さんにケースの瓶ビールを配達してもらうんですね。

私も兄も親戚の子たちもなぜか巻寿司が大好きだったので、鉄火巻や河童巻はいつも大量。

ずらっと並ぶのが圧巻でしたね。しかも安上がりだ、今考えると。

 

 

“出前”寿司ですが、しばしばお店に注文した寿司を取りに行くこともありました。

なんでだったんでしょうね、お寿司屋さんが忙しかったのかな、きっと。

大した距離じゃないんですけど、寿司屋に向かう車の中の高揚感ったら、もうね。

寿司屋で少し待たされるのも好きでしたね。水槽の魚を眺めるあの時間。

 

 

お寿司だけじゃあ、ということで女性陣が次々と台所に立ちます。

数十分後、食卓にはささっと作られたそれぞれの家の家庭料理が並びます。

もやし炒めの味付けが、我が家とは全然違うなんて発見があったり。

いろいろ食べてるうちに、また寿司に戻りたくなっちゃうんですよね。

 

 

宴が盛り上がってくると、部屋にレーザーカラオケが運ばれてきます。田舎の特権。

隣の部屋には、トランプやオセロや麻雀や将棋なんかがずらずらと並び。

1時間だけならファミコンやっていいよって許可が出たり。

夜が更けていくというのはこういうことだ、と子供心に思ったものです。

 

 

出前寿司には、そういう楽しい思い出があります。

楽しい大人の世界の一端を、子供の立場からかいまみるような。

時間が進んでいくこと、歳をとって大人になることは、

きっと明るく楽しい希望あることなんだと思いました。

 

 

今では冠婚葬祭くらいでないと、なかなかそんな大人数の大宴会なんてありませんが。

お店じゃなく、親戚誰かの自宅でまたやりたいですねぇ、あの寿司パーティ。