本を開いている様子
松尾画報(コラム)

COLUMN

興味

「ふぁぁ〜〜〜〜あぁッッッ!!」
と、大きなあくび声を出す方がいました。
朝の通勤、阪急電車で。

くしゃみ、咳、あくび、その他諸々。
大きな声が出る人は、一定数いますよね。
生理現象だし仕方ないとこも多分にあるけど。

でも、できればもう少し小さな声でなんとかしてもらえれば…。
みたいな意見もよく聞きますし、よくわかります。
要は音量ではなく気遣い、どれだけ感じられるかって話なのさ。

と、私個人的には思うんですよね。
カラオケかよ!って大声のあくびを数分ごとに連発する彼。
おぉい、気遣いよ気遣い。あくびは仕方ないけど、気遣いィィ。

私の背中側だったので、どんな人がわからなかったんですけど、
終点・大阪梅田で降りようとして、ようやく顔が見えました。
がっつり工事現場装備をした、多分30代のお兄さん。

そういや、乗車するときに扉横に工事用ハーネスがあったな。
すごく無造作に床にどかっと置いててびっくりした。
そうか、あれは君のだったか。

梅田に着くと「よいしょー!」と言って持ち上げます。
「重ッッッ!なんやこれ!重ッ!あー!働きたくないなー!」
階段の手すりを持ってふうふう言いながら、雑踏に消えていきました。

なんだかね、もう、全部許しちゃう。
こういう感情をストレートに出す人って、わりと好きです。
あまり会いませんよね、大人になると余計に。

大声あくびを聞いてるときは「何だコイツ」でしたが、
「重ッ!」を聞いてからは気になるアイツ。
こういう人と会えるのも、電車通勤の楽しみだったりしますよね。