松尾画報

『心呼吸』by柴犬

BANANA FISH

子供の頃から、漫画が大好きな私ですが、今までで一番面白かった漫画を聞かれたら、迷わず「BANANA FISH」と答えます。「BANANA FISH」は、1985年〜1994年に連載された吉田秋生さん作の漫画で、私は高校生から大学生にかけてリアルタイムで読んでいました。連載から20年以上の時を経て、2018年にテレビアニメ化されたことをきっかけに、娘世代でもその漫画を知る人が出てきて、とても懐かしく嬉しく思っています。復刻版の漫画を買って、久しぶりに一気読みしましたが、この歳になって読んでも、その感動、疾走感、全く色褪せず、不朽の名作だと再確認したので、ご紹介したいと思います。

あらすじ・・舞台はニューヨーク。アッシュ・リンクスはストリートギャングのボスで、並外れた美貌と、IQ180以上の頭脳を持ち、SWAT並みのシューティングテクニックがあるカリスマ的存在。アッシュは日本人の英二と知り合い、「BANANA FISH」の謎、真相を追う中で、巨大な陰謀を知り裏社会の闇に迫り、マフィアとの抗争に巻き込まれていく・・。

物語の主軸は「BANANA FISH」の真相ですが、それと並行して、アッシュと英二の関係性、絆が描かれています。英二の見返りを求めない無償の純粋な愛情、優しさが、次第にアッシュの心の傷や孤独を癒し、アッシュと英二はお互いに唯一無二の存在になっていきます。アッシュは英二を守り、運命に抗って、憎んで覇者となるよりも愛して滅びる道を選びます。衝撃の最終話については、賛否両論ありますが、私はこれ以上の美しい終わり方はなかったと思っています。英二のことを誰よりも思っていたのは、間違いなくアッシュですが、アッシュを一番愛していたのは、英二だったのか?・・ゴルツィネも英二に負けないくらいの思いを持っていたと思います(友情、愛情と違いはあっても)。アッシュの才能にいち早く気が付き、帝王教育を施し、アッシュに裏切られた後もなお、養子にして後継者にしたいと願い、自分以外の他人がアッシュを殺めるのは許せなかったのですから・・。歪んではいても、そこには深い愛情があったと思います。まるで映画を観ているような漫画のコマ割りと構図、7巻のオーサーの仲間を地下鉄で殺すシーン、空港でゴルツィネに宣戦布告するシーンはとても印象的でした。番外編の「光の庭」は涙なしでは読めません。

「BANANA FISH」、壮絶な人生を生き抜いたアッシュの人生を体感してみませんか?「幸せに生きる」ってどういうことなんだろう?と考えたくなります。