松尾画報

『心呼吸』by柴犬

親とは・・

お盆休みに親族で会食した方は多いのではないでしょうか?私の両親、夫の両親は、既に有料老人ホームに入居していて、お盆休みに会いに行き外食を楽しみました。認知機能が低下した親を見て、「栄枯盛衰」の意味を知る私です。

アルフレッド・アドラーによれば、すべての悩みは対人関係の悩みである、そして対人関係で最も難易度が高いとされる関係は親子関係である、とのことです。開業医でワンマンで高圧的だった父、専業主婦で言い返すことも出来ず仕えていた母。父のような男性に嫌悪感を抱き、母のように男性に依存する生き方だけはしたくないと、自由と自立を求めた私。両親と過ごした幼少期〜少女時代は決して居心地が良く思い出深いものではありませんでした。その環境から一刻も早く逃げ出したくて、大学進学を機に18歳で家を出ました。父と同じ医師になり、結婚して2児の母になりました。医師になるまでの大変さ、仕事の過酷さとプレッシャーを経験し、母親になっても、自分は未完成な人間のままで気持ちが揺れたり、子供の頃は想像もしなかった我慢や忍耐が必要なことを知りました。子供の頃は、今で言う親ガチャに自分はハズレたと思って、恨んだり悲しんだりしましたが、様々な経験を経て、今はそんな気持ちは消え失せ、あなたはあなたで大変だったんだなと両親の気持ちが少しは理解出来るようになりました。色んな事を忘れてしまった親に少しでも長生きして欲しいなと願っています。自分が親になって、子供と一緒に過ごす時間は長いように見えて、意外と短いことも知りました。

親はいつまでも元気で圧倒的に強い存在ではありません。会える時に会って昔話をしたいなと思います。そして、子供もいつまでも側にいないです。頼られたり甘えられたりしている今を大事にしたいなと思います。そんな事を考えた私のお盆休みでした。