松尾画報

お薬と病気について

第4回 糖尿病の薬の種類と特徴について

今回は前回に引き続き生活習慣病の一つである糖尿病の薬の種類と特徴についてお話したいと思います。

糖尿病の薬には様々な種類がありますが、まつお内科でよく処方されている薬にはSU剤・ビグアナイド系・DPP-4阻害薬・SGLT-2阻害薬があります。それらの薬の特徴について以下に簡単に説明したいと思います。

 

☆SU剤☆

すい臓のランゲルハンス島という組織にあるインスリンを分泌する細胞に直接働きかけてインスリンの分泌を促し、インスリンの分泌量を増やすことで血糖値を下げます。よく使われる薬ですが血糖値が高い時も低い時も作用するので低血糖には注意が必要です。まつお内科でよく処方されているものではオイグルコン錠・アマリール錠などがあります。食前または食後に服用します。

 

☆ビグアナイド系☆

肝臓で行われる過剰な糖新生の抑制、インスリン抵抗性の改善、腸管で行われるブドウ糖吸収の抑制により血糖値を下げます。代表的なものにメトグルコ錠があります。食直前または食後に服用します。

 

☆DPP-4阻害薬☆

比較的新しい薬でDPP-4という酵素に結合しDPP-4の働きを抑えます。DPP-4という酵素はインクレチンと結合することでインクレチンを分解するのですが、この薬によってDPP-4の働きを抑えることでインクレチンの分解が抑えられ本来の作用を発揮することができます。インクレチンとは血糖値の上昇に伴い主に小腸から分泌されるホルモンで血糖値が高いときのみ分泌が促進され血糖値の上昇を抑えます。そのため従来の薬よりは低血糖を起こす可能性が低いです。食事の影響を受けないので食前食後どちらの服用でも良いのも利点の一つです。DPP-4阻害薬には色々な薬がありますが、まつお内科でよく処方されているのはテネリア錠です。

 

☆SGLT-2阻害薬☆

こちらも比較的新しい薬で腎臓に作用し、尿中に糖を排泄して血糖値を下げる薬です。インスリンの分泌に依存しないので低血糖の心配は少ないのが利点です。ただし尿量や尿の回数が増えることがあり、それに伴う脱水症状、また尿糖による尿路感染症や性器感染症が起こる可能性があります。まつお内科ではカナグル錠がよく処方されます。

 

 

次回は抗生物質についてお話ししたいと思います。