『心呼吸』by柴犬
壮年期の発達課題
フロイトの弟子であり、「アイデンティティ」という言葉を作った心理学者、エリクソンが提唱した8つの発達段階と課題についてご存知ですか?人生を8つのステージ(乳児期・幼児期・児童期・学童期・青年期・成人期・壮年期・老年期)に分けて考えた時、ステージ毎に発達課題があり、その発達課題をクリアして、次のステージを迎えるのが、精神的に健康に生きていくためには必要であるというのです。人は社会的存在であり、社会的存在でなくなったらひどく病んでしまうということを発見しました。そして、人が発達していくプロセスには必ず順序性があり、発達過程には飛び級がないと言っています。
それによると私は今、壮年期(40〜65歳)に該当して、発達課題は、「世代性」「生殖性」です。先人からの教えを引き継ぎ、それに自分の時代のことを付け足して、次世代に繋いでいくのです。次世代を育てることで、自己満足と達成感を味わえ、その成果として、「世話」を手に入れることが出来ます。世話とは、他者や次世代に関心と責任を持つ力です。この課題をクリア出来ないと、「停滞感」を感じ、自己評価の低下に陥る可能性があります。いわゆるミッドライフクライシス(中年の危機)ってやつですね。もう自分だけのために生きる時期は終了し、誰かを育てるために生きないと、自分も救われないっていうことです。
壮年期にあたる読者様、子供や後輩、次世代に関心を持って、自分が学んできたことを教えて、真摯に向き合い、育てていますか?「生殖性」「世代性」の課題をクリアして「世話」力を手に入れられそうですか?私は今、思春期の子供達2人を育てるのに、もがいて苦しんで奮闘している毎日です(先はまだまだ長いです・・)。ですが、そんな毎日も、自分が生かしているのではなく、自分が生かされている日々なのかも知れません。
紫陽花の花言葉、「辛抱強い愛情」。