松尾画報

『心呼吸』by柴犬

セルフトレーニング問題

 日本内科学会の資格更新のため、セルフトレーニング問題を解いています。医学は日進月歩で発展しており、専門分野でさえ、up to dateするのは大変です。私が研修医だった時代とは比べものにならない程の同意書が存在し、医療は細分化され、治療法・治療薬は多岐に渡り、次々と発売される新薬の知識・位置付け・使い分けが求められます。他科のこととなると、全くもって浦島太郎になってしまうので、自己研鑽の一環として、毎年セルフトレーニング問題だけは自力で取り組もうと心に決めています。

 セルフトレーニング問題とは、日本内科学会から1年に1回出される問題集で、全50問あります。60%以上の正答で資格更新のためのポイントが取れます。出題範囲は、内科一般、漢方、消化管、肝臓、胆道・膵臓、循環器、内分泌、代謝、腎臓、呼吸器、血液、神経、アレルギー、膠原病、感染症、救急となっています。これは、試験ではなく問題集なので、問題を解くのにいくら調べても時間をかけても大丈夫です。今はWeb版があって、その方が安価なんですが、私は紙にマークしたり書き込んだりして回答したいので、いつもマークシートで回答しています。たった50問ですが、自分の専門外の分野だと中々に難しく、調べながらだと結構時間がかかります。毎日、隙間時間に数問ずつ解いてます。

 問題集を解くことは、考えたり調べたりするきっかけになりますが、日々の診察での、患者様の症状、疑問、情報、診察所見は、何よりも自分を勉強させるように駆り立てます。診断は確かだったか、鑑別診断として何か見落としてないか、治療法として最善を尽くせたか・・。わからないことや不確かに感じたことは出来る限り調べ、他の医師の意見を聞くようにしています。人間なので、診断・治療に完璧や絶対はありませんが、今までの知識や経験に傲らない自分でありたいなと思います。何が言いたいのかと言うと、卒後20年以上経った今でも、患者様から学ぶことは非常に多いのです。