松尾画報

松尾の独り言

ウサギの子宮癌罹患は80%

松尾です
家族の一員であるホーランドロップのミミが子宮卵巣摘出術を受け、1週間の入院を終え退院してきました。
3才のミミは、病気ではなく、避妊手術を受けてきたのです。正確には子宮癌の予防のための手術です。
自然界で被捕食動物であるウサギは、その強い繁殖力を持って種の保存に努める運命にあります。
私自身、大学院時代に生殖内分泌を研究の柱とする教室で、性ホルモンの腫瘍への影響について画像解析装置を使った研究を少ししていたことがあります。少し詳しく説明しますね。
ウサギは交尾後排卵動物であり、周年繁殖と言って1年中繁殖することができます。また、発情期が発情休止期に比べ何倍も長いという特徴を持っています。つまり、ほぼ常に卵巣からエストロゲンという子宮内膜を刺激・増殖させる性ホルモンが分泌されています。自然界のウサギは妊娠することでエストロゲンの分泌が減少するため、子宮内膜への過剰な刺激がなくなります。
問題は、ペットとして雌ウサギ単独で飼育している場合であり、エストロゲンにより子宮内膜が増殖し続け、5才の雌ウサギの80%が子宮腺癌に罹患しているという衝撃的なデータもあります。実際、過去に飼っていた雌ウサギも子宮腺癌であり、今回の手術をお願いした獣医師の先生も2才の雌ウサギの子宮腺癌治療の御経験があるそうです。
これまで私がウサギの子宮癌について無知であったことを反省し、この事実を1人でも多くのウサギ愛好家の方に知っておいて頂きたいです。
ふっと思ったのですが、卵巣もなくなったミミです。ただでさえ自由奔放に育ててきたのに、更年期障害が出て、私に八つ当たりされなければ良いのですが・・・。