『心呼吸』by柴犬
ひゃくえむ。
娘と息子からリクエストがあり、映画「ひゃくえむ。」を観てきました。予習を全くせずに映画を観たので、あの「チ。-地球の運動について-」の作者、魚豊のデビュー作だったとか、声優が松坂桃李、染谷将太だったことは後から知りました。短距離、100メートル走に人生をかけた選手たちの物語ですが、とても哲学的だな・・と思って観ていたら、作者は大学で哲学を専攻していたんですね。そしてテーマ曲はOfficial髭男dism「らしさ」。この曲がまた良いんです!9月19日に公開され、11月はほぼ終わりかけでしたが、映画のチケットはなんと「完売」でした。
あらすじ・・生まれつき足が速い「才能型」のトガシと、辛い現実から逃れるように走る「努力型」の小宮は小学6年生の時に出会った。トガシが小宮に走り方を教え、2人はライバルであり親友のような関係を築いた。数年後、勝ち続けるプレッシャーに苦しむトガシの前に、トップランナーとなった小宮が現れる。対照的な2人の関係を中心に、走る意味や人生哲学を問う物語。
100メートル走、ルールは極めてシンプルで、約10秒で勝敗が出ます。競技自体がシンプルゆえに、心身のコンディションが如実に結果に結びつくと思いました。個人技なので、常に自分の内面と向き合い、ストイックに自分自身と闘う競技で、それはとても過酷だと感じました。才能が勝つのか努力が勝つのか、これは永遠のテーマですね。アインシュタインは「天才とは努力する凡才のことである」と言い、孔子は「天才は努力する者に勝てず、努力する者は楽しむ者には勝てない」と説いています。私は作中、一番幸せな人は海棠さんだなと思いました。ずっとトップを保持してきた財津さんは「絶対王者から見える景色は最下位のそれと同じ、横を見ても誰もいない。こんなに退屈なことはない。」と言い、トガシは才能があっても走ることを好きだと感じたことはなく、小宮はある時から走る喜びを失い記録に執着することになる・・本当に皆、もがいているんです。そのもがいている様はまるで人生そのもの、持っているからと言って幸せじゃない、期待されていなくても誰も自分を見ていなくても幸せでいれる、のめり込んで楽しめる人が結局、最強なんだなと思いました。
「ひゃくえむ。」、映画館で予告を観たことがなかったですが、口コミでじわじわと人気を博している映画です。映画を観た後は是非、漫画も読んでみてください。「らしさ」は名曲で頑張ろうと思えます。













