松尾画報

松尾の独り言

Baker Mr. So and So

松尾です。

4年前の事です。
クリニック近くにベーカリーレストランがあり、そこに見知らぬ若い職人さんがおられました。
私は夕方の診察前に30分程屋外に出ますが、ある時そのパン職人さんがよって来て一言二言、言葉を交わす仲になりました。
何故私によって来てくれるのか不思議でしたが、聞けば近々香川県に帰って独立したいと考えている、どうしたら成功するのか教えて欲しいので一度呑みに連れて行って欲しいとの事でした。
勿論私にはパン屋さんの知識は全くなく、事業の大成功者でもありません。最初は聞き流していましたが、ある時、来週引っ越しの予定と言います。
そして、私との日程が合う迄は、家族を先に帰して自分だけ残ってもいいというではないですか。
彼の真剣さが解り、都合を着けて会いました。
彼は非常に活き活きとして、パン屋さん開業の抱負や夢を熱く語ってくれました。
また、何れかのお寺の献灯に五百万円寄付 何某と刻まれているのを見て感銘を受けた、店名を英語で何某を意味するMr. So and soにしようと思うがどう思うかと熱心に意見を求めてくれました。
2年後に見に行くと伝えて別れ、3年が経ち、昨年11月にようやく香川県に行くことができました。
久しぶりに会った店主は、今や香川県で引っ張りだこの人気シェフとなっていました。
朝一番からマヨネーズを撹拌し、-50度の冷凍マグロにこだわり、全て手作りのツナサンドは、今まで食べた中で一番美味しい惣菜パンでした。