松尾画報

辺境のカンガルーの近況

週末の密やかな楽しみ

週末の夜に大阪駅前を通ると、よく若者が歌を歌ってるんですよね。

ストリートミュージシャンというやつでしょうか。

私が学生だった頃は、ゆずやらコブクロやら歌ってる人がたくさんいたもんですが。

 

 

まあ、私ももういいおっさんなものなので、あんまりそういうのが心にぐっと来ないんです。

音楽を少しかじってたこともあるので、斜に構えて見ちゃうところもあるわけです。

下手だなぁ、とか、ここはもっとこう歌えばいいのに、とか。

 

 

しかし、そんなひねくれたハシモトにも、お気に入りのストリートミュージシャンがいます。

駅前ではなく一本通りを渡ったところで、エレキベースを弾いているお兄さん。

打ち込みのリズムに合わせて、往年のオールディーズのメロディをベースで弾いています。

 

 

長く立ち止まって聴いたりはしませんが、彼の姿が見えたらゆっくり歩くことにしています。

信号待ちの間だけ、ゆったりと彼の演奏を楽しみます。

ときどき酔っ払ったおっさんが軽快なダンスを踊りに来たりもします。これほんとまじで。

 

 

彼にはあんまり感じないんですよね。

「見て見て俺の演奏!聴いて聴いて俺の歌!」みたいなエゴが。

もちろんわざわざ人前で演奏してるので、そういう気持ちはあるんでしょうけど。

 

 

うーん、なんで人だかり出来ないんだろうなぁ、あのベースのお兄さん。

単純に好みの問題やん、って言ってしまえばそれまでなんですが。

演奏も上手でとっても心地よいんだけどなぁ。

 

 

大体、駅前で人だかりを作ってるのは、大声で熱唱してる男前ユニットとかなんですよねぇ。

駅前の喧騒でも埋もれないような、盛り上がりやすそうな曲をたくさん歌うわけです。

それはそれで賑やかで、まあ週末らしくていいんですけど。

 

 

週末の夜に大阪駅で時間つぶす用事が出来たら、ぜひ探してみてください。

運が良ければ会えるかもしれません。

会えない日は、酔っ払ったおっさんを探して、ダンスセッションでもして帰りましょう。

 

 

コラム 辺境のカンガルーの近況 ウッドベースの演奏者写真

 

 

(そのお兄さんの演奏写真……ではなくて、私の友人の宮内くんの演奏写真です、これ。しかもウッドベースだ、これ)