辺境のカンガルーの近況
褒められたことじゃないけど Part.2
もうひとつ、昔勤めていた広告制作会社の営業社員の話を。
ちょっと抜けたところがある、後輩のミカミくん。
ミカミくん、今日は飲食店のクライアントさんとの打ち合わせ。
先方のピークタイムを外して、21時からという遅い時間の打ち合わせ。
ミカミくん、カップラーメンを作ってます。
20時50分ですが、カップラーメンを作ってます。
あれ? クライアントさんのお店って車で10分かかるんじゃ…?
「…なぁ、ミカちゃん、打ち合わせの時間変わったん?」
『え~と、打ち合わせ、21時からですけど』
「…間に合わんのちゃう? 今からラーメン食べてたら」
『え~と…、………あ、ほんとですね。先輩、あざっす!行ってきます!』
「まじか…、お前、まじかよ…」
オフィスに残されたほかほかのラーメンと私。
お腹いっぱいでしたけど、ラーメンは私がいただきました。
200円をミカミくんの机の上に置いておきました。
別の日、会社のみんなで飲みに。
家が遠いオクダ先輩は、ミカミくんが車で家まで送っていくそうです。
いいですね、気がきく後輩ですね、ミカミくんも成長しましたね。
一杯目のコーラを飲み終え、二杯目。ミカミくんの手にはビールが。
「…なぁ、ミカちゃん、今日、オクダ先輩送って行くんちゃうかったっけ?」
『はい、送っていきますけど…、………あ、………ビール、…しまった』
「まじか…、お前、まじかよ…」
すでに帰宅済だった下戸のタカハシを呼びつけ、
オクダ先輩は無事に帰宅できました。
ミカミくんは翌日、タカハシに昼ご飯をおごらされていました。
別の日、ミカミくんの打ち合わせに同行。
大きい案件や難解な案件の場合、私たち制作チームも打ち合わせから参加します。
今日は、複数店舗展開しているエステサロンの店長会議の日だそうで。
パンフレットデザインに関する各店長の意見を聞いてみよう、という趣旨です。
『お世話になります!○○社のミカミです!』
『まぁミカミくん!いらっしゃい!でもね!打ち合わせは来週よ!』
『え~と…、………あ、ほんとですね。失礼しました!また来週きます!』
「まじか…、お前、まじかよ…」
移動時間・片道45分、滞在時間・約10秒。
きっと初めてじゃないんでしょうね、こういうミス。
クライアントさんのあの慣れた感じったら、もうね。
こんなことが日常茶飯事でした。
社会人としてどうなんだ?という部分も多々あるテキトーな会社でしたけど、
社員ほとんどが20~30代で、いつも誰か笑ってたり怒ってたりする活気ある会社でした。
また気が向いたら、面白そうなエピソードでも書いてみようと思います。