松尾画報

辺境のカンガルーの近況

忘れ物

たいした話じゃあないんですけどね。

 

ジムで運動した後、シャワーを浴びるわけです。

ッ!と前にいた人が急に体をのけぞらせたわけです。

シャワールームですからね、当然床は濡れてますよね。

危ない!と思って見たんですが、コケることはなく。

怪訝そうに少し何かを見た後、去って行きました。

 

数秒後、サウナから別の人が出てきます。

マットをさっと水洗いし、マット置き場に戻そうとします。

ッッ!という感じで目を見開きます。

マット置き場の横の棚を見た瞬間に。

ハンドタオルとかシェービングクリームとか置く小さな棚を見て。

 

気になるじゃないですか、やっぱ。

二人もそんなリアクションしてるわけですし。

どう考えたって何かあるわけじゃないですか、そこに。

幸いなことに、こちらは前もって心の準備ができています。

恐る恐る、マット置き場の横の棚を見てみました。

 

ッッッッッ!!ってなっちゃいますね、やっぱ。

心の準備してたってこれですよ。

いくら普段見慣れないものだからとはいえ。

なんというか、本能的にびっくりしちゃいました。

そういえば、生というか、実物のこれってちゃんと見たことなかった。

 

棚には、手のひら大サイズのカツラが置いてありました。

黒、白、灰色がとてもナチュラルにミックスされた髪の毛の塊。

頭全体を覆うタイプではなく、おそらくボリュームが少ない部分に取り付けるタイプ。

言葉で表現しにくいですけど、水に濡れてすごくリアルで生き物みたいというか。

人体の一部感がありました。

 

びっくりしました、という、ただそれだけの話なんですけど。

とりあえずコケなくてよかった。

あー、びっくり。ほんとびっくり。