松尾画報

松尾の独り言

ウサギのソアホック

お腹の手術をした、ミミの抜糸に連れて行って来ました。
術後の経過は良好で、病理組織検査の結果も、ごく軽度の子宮内膜の過形成が見られるのみで正常範囲であり、悪性所見はありませんでした。手術後の写真でもまず問題ないことは予測できていましたが、病理をかじっている私は、過形成の仕方、程度、間質といって粘膜細胞のない部分の浮腫や炎症細胞の種類と程度に興味があります。これは、普段、内視鏡検査の際に、生検やポリープ切除で病理組織検査を行って、患者様へ説明する際も常に意識しています。良性、悪性だけでなく、良性でもその種類や病勢が見て取れるからです。普段、診療をしていて、「何年前に内視鏡検査を受けて、組織をとって良性と聞いている」とよく耳にします。「何年後に検査を受けて下さいと聞いていますか?、腺腫という言葉に聞き覚えはないですか?」とお尋ねしても、よく解らないということが殆どです。思いあたる方がおられたら、できれば検査結果の用紙を持って受診してください。出来るだけ解りやすくご説明します。
ところで、ミミの右足のかかと部分に血がにじんできました。ソアホックと言って、何らかの理由でかかと部分の毛が薄くなったり、硬い床材の上で体重がかかったりすると、ウサギには肉球が無いため、皮膚の直下に骨があり、皮膚炎やびらんが出来てしまうことをいいます。恐らくミミは手術創をかばって不均等に体重がかかってしまったのではと予測します。自然界のウサギは軟らかい土の上で生活しているのであまり問題になりません。ある意味、ペットとして飼われるウサギの現代病ですね。爪を切り、体重を減らすことが大切で、もしソアホックを発症すれば、抗生剤入りの軟膏と水分をはじくワセリンを混ぜて塗ってあげて下さい。おとなしい子なら、赤ちゃん用の靴下を履かせてあげると良いですね。
何だか、獣医さんのブログみたいになってきました。まあ、それはそれでいいですよね。