松尾画報

辺境のカンガルーの近況

ただ眺める

スカーッとした!と聞いてすぐ思いつく経験ってありますか?

 

 

数年前、珍しく夏から秋にかけて随分忙しくしていました。

しかもそれが年末までずっと続きそうで、心身ともにかなりまいっていたんです。

きっとひどい顔をしていたんでしょう、

ひと回り以上歳上のビアバーのマスターとの仕事の打ち合わせの後、

マスターが声をかけてくれました。

 

 

『ハシモトさん、えらい疲れてるね』

「いやー、まいっちゃいますねぇ、年末までずっとこんな感じですねぇ」

『次はどこで仕事?どうやって行くの?』

「次は京都御所の側のホテルで打ち合わせですね、地下鉄で行きます」

『せっかくの秋に地下鉄なんかもったいないぞ、バイクで送ってったるわ』

 

 

そう言って、大きなバイクの後ろに乗せてくれたんですよね。

バイクといっても三輪なので、どっしりと安定しているんです。

カスタムしてるんでしょう、肘置きや背もたれも完備。もはや動く玉座です。

体重移動とか何も考えなくていいから、ただ乗って景色を眺めとけばいいよ、と。

すいーっと市内をドライブしながら、目的地まで送ってくれたんです。

 

 

これがまあ、心の底から気持ち良かったんです。

京都市内の道なんてもう嫌ってくらいよく知ってるんですけど、

秋風の中、なんだかすごく素敵な街に見えたんですよね。

自分で同じ道を運転しても、絶対に得られない感覚といいますか。

一気に疲れが飛んでいったことを覚えています。

 

 

あまり細かいことは考えずに、ストレートに感じることも大事ですね。

そんで、今思えば、マスターの気遣い素晴らしいですね。

さらっとそういうサポートができるような人間になりたいもんですね。

しんどいなーってときは、いつもこのときのスカーッとした!感覚を思い出すようにしています。

秋から年末にかけて忙しい人って多いでしょうけど、なんとかうまいことやっていきたいもんですね。

 

 

次はアレだな、オープンカー持ってる友人を捕まえて…。

あ、いやいや、自分でしっかり完結させましょう。

こういうことばっか言ってるからいつまで経ってもアレなんでしょうねぇ、私。